@婚姻を継続しがたい重大な理由があるとき@
「法律で認められる離婚理由」、このテーマは今回が最後となります。
これまで紹介してきた4つの離婚理由だけでは、裁判で扱える離婚問題は限られてきます。
しかし後述する理由を認めることで、様々な理由の離婚が認められるようになります。
「お互いに結婚生活を続ける意思がまったくない」あるいは、片方に離婚の意思がなくても「結婚生活が破たんし、回復の見込みがない」ときは、「その他婚姻を継続しがたい重大な理由」として離婚裁判で扱われます。
既に結婚生活が破たんしていて、元通りになる見込みもない場合、そうなった理由が何であっても離婚を認めてもいいのではないか。この離婚理由はそういう考え方に基づいています。
この離婚理由では、具体的な原因よりも、「どれだけ関係が破たんしているか」が重視されます。そのため、「性格の不一致」でも離婚が認められるケース、認められないケースが出てきます。訴えた側が主張する理由が本当に夫婦の関係を壊したのか、本当に元通りになれないのか。裁判官が夫婦の事情をもとに、最終的に判断することになります。
【結婚生活の破たんが認められるケース】
1.性格の不一致・・・相手の価値観や生活に我慢ができないような場合
2.暴力・精神的虐待・・肉体的な暴力だけでなく、暴言などの精神的な暴力があった場合
3.浪費・借金・・・生活費の使い込み、借金をしてまで趣味に注ぎ込む場合
4.家庭をかえりみない・・・家事や育児にまったく協力しない場合
5.相手の親族と不仲・・・双方の親や親族と対立したり不仲になったりした場合
6.宗教にのめり込む・・家庭生活がおろそかになるほど過度な宗教活動を行っている場合
7.飲酒・・・過度なアルコールの摂取により家庭が崩壊している場合
8.性生活の拒否・・・夫婦が性生活に不満を持っている場合
9.病気・・・重い精神病以外で、重大な病気を患っている場合