みなさん、こんにちは。
今回は「離婚原因をつくった側から離婚することはできるか?」についてのお話です。
例えば、夫婦のうちで浮気をしたほうが浮気相手と結婚するために裁判で離婚を求めたらどうなるのでしょうか。
原則として、裁判所は離婚原因をつくった側(有責配偶者)からの離婚請求を認めていません。常識的に見て、あまりに身勝手だからです。
何の責任もない人が離婚を拒否しているのにかかわらず、裁判所は離婚原因をつくった側からの離婚請求を認めたら、裁判所が離婚原因をつくった側に加担するようなものです。
ですから、裁判の過程で原告が離婚の原因をつくったと分かれば、その請求は棄却されます。
しかし、1987年の最高裁判決以降、有責配偶者からの離婚請求を受け入れる例外も出てきました。これは、関係が回復する見込みがまったくない夫婦に、戸籍だけの関係を強制するのはかえって不自然だからです。「別居期間がかなり長い」「未成熟の子どもがいない」「離婚後、相手が過酷な状況に置かれない」などを最低条件とし、関係が完全に破たんしている夫婦に対しては前向きな解決策の1つとして、離婚を検討してもいいのではないかというのが、近年の裁判所の考え方のようです。